若やいで阪神のためパレードへ

雨の文化の日は珍しいなあ、オットセイはそば打ち講習会に出かけたし、そうだ!新聞でもラジオでも、阪神優勝御堂筋パレードの事を言っている。「行こう!」と一人で、発破をかけて10時過ぎてはいたけれど電車に走りこんで難波へ行き、心斎橋を越えて、御堂筋へ出る。ところが大丸デパートのあたりから通りへ出られない人の波と警備の多さ、長堀まで出て遠回りをして本町あたりまで、傘の中を流れ出されるようにして歩く。ヘリコプターが飛んでいるのであそこの下がパレードの車だろうとはわかるが、道路側など見向きも出来ない。何しろ人ゴミ子供が泣き叫ぶ、人にはぐれた人が呼び合う、警備が上がるな、通るな、傘をたためとガーガー言ってる!どこかのニイちゃんとぶつかってにらまれる。
とたんに、一斉に拍手が上がった。飛び上がって見たけれど、人の手がちらちらと動くのが見えただけ。あれは監督の手だったかも・・・と思う間もなくすごい人垣が崩れはじめて、道路側に陣取っていた人たちが歩道に来たので、今まで以上に膨れ上がった。それから来た道を又押し出されるように人の波に乗って出た。
ああ雨の中、まだ気が晴れない。昼はとっくに過ぎていた。いつか友人に聞いていた《堺筋倶楽部・Ambrosia》というレストランがこの近くにあったはずだと、ノートを引っ張り出す。ここは70年も前の銀行の建造物を改装した趣のあるモダンな建物だった。ゴージャスな内装の中で昼のフルコースを一人で美味しいビールとともに食べているとあのパレードの喧騒を忘れさせてくれた。