はまぐりと寿司で2人のひな祭り

昨日から、散らし寿司用の具を炊いた。今朝、寿司飯を用意していたら、オットセイから待ったがかかった。
「巻き寿司がええ」
「なんで?今日は散らしの寿司を食べる日なんです!」
「食べたいから頼んでるんや、同じ材料で手間かけるんなら自分の食べたいもんが食べたい」
「ああそうですか、わかりました」
結局3合の寿司飯を巻き3本と散らし1合分作った。
昼食に菜花の辛し和えや昨日の煮物の残りや散らしにのせるつもりの魚をつまにビールを出し、さて寿司につきものはまぐりの潮汁をついだ。
「これはないで」と文句が来た。
三つ葉にウドまで浮かべてんのになんでよ」
「はまぐりは一つのもんや、二つでも一つの殻は捨てて両方に貝を入れて出すもんや」
そう言えば10個299円のはまぐりなので、全部作ったら多いか、明日バター焼きでもしょうかとためらったが持ち越してノロウイルスにでもなったらと全部吸い物にしてしまった。注ぐ時も大判ふるまいをしたには違いない。
「恰好つけんでもええやん、減らしたらいいんでしょ」。
しばらくお互い黙ったまま巻き寿司と散らし寿司をそれぞれ食べた。
おひな様がかすかに笑ったような気がした。2人のひな祭り。
写真は知人の手作りの飾り物。