温泉が正月景気満たしてる

朝から、定年後、旦那が何もせずにみの虫状態や濡れ落ち葉状態になっていて、それを受け止める妻の苦悩など特集を組んでいるテレビを見ながら、
「うちはいいよね、あなたが菜園に出て行ってくれるし、家事だって洗濯と風呂掃除もしてくれるし、食べるものも何でも食べてくれるし、助かってるわ」と言った途端「あんたは片付けが下手やし、食い物はたくさん作りすぎやし、こっちが言うべき事を言った途端にふくれよるし、よう出かけるし、ストレスがたまっとるんはこっちのほうやが」と速応答してきた。「こっちはほめてんのよ。そんな事思てタン、すまなかったわね、じゃ今テレビで言うてる別居なんていいんじゃないの!」「ほれ、そう言うとこがしんどいんや、笑い流せんか」。
しばらくの沈黙のあと、「なんでこんなテレビでない腹を探り合わないかんのや、初風呂へいこや」
かくして二人は水間観音の山の奥にある満員の町営の温泉へと出向いて、さっぱり、すっきり、仲良く帰宅したのでありました。
正月初喧嘩になるところだった。ああ危ない、危ない。