点滴で命をつなぐ目のくぼみ

1ヶ月点滴を続けたという姉の様子を見て足をさすりながら、涙が出る。11月胃癌の転移はなかったものの4/3を切り取り退院してリハビリをしていた。
その後手術のせいかハタマタ白内障が急に出たか目が見えなくなって両目を手術したらしい。かすかに見えるが昼間にかげっても夜がきたかと間違うほどらしい。
そして年末、腸捻転を起こし、救急車で再入院、その後食べることなく点滴のみでここに来ている。弱っている上に食べないから力がなく手術が出来ないとか。
病気しらずで8人兄弟の長女というしっかり者の姉が、今、子や孫の世話を受けている。
しっかりした頭で、病気に負けて悔しいと語る。記憶もよく、動かない身体で振り絞るように声を出し私たちのことを案じ、気使いをしてくれる。
病気では死なない、でもこの身体は誰かの思し召しで、命を決められているんよ。天寿を全うして死ぬるんよ。という言葉に重みがあった。
生きて!母が死んだと同じ年80歳を闘っている姉さん!。
記念写真をとカメラを持参したが、それすらもはばかられた。