柿の葉を農家でもらい鯖の寿司

【ごめんください、おじさんあそこの柿の葉を30枚いただけませんか、寿司にするんです】。住区から少し離れたところに急に田舎を感じる地区がある。そこの畑の脇にある大きな柿の木がそびえていた。大きな畑の隅に建った大きな家に入っていって思い切って頼んだら、【ええぞ、何するんかいのう、勝手に入って何ぼでも持っていかんかい、そろそろ蚊がでよるから気ィつけや】と二つ折りに腰の曲がったおじさんがえんどう豆の皮をむきながら、しわの顔を向けてくれた。1・ま・い・2・ま・いと数えて取っていたけれど30枚に近くなったらわからなくなって、いっぱいいただいた。
新鮮な塩鯖を買い薄く切って酢にひたし、すし飯を作って、小さな握りを作って鯖を乗せて、洗った葉で包んできっちり詰め込む。重しつきの寿司用の木枠で押さえたら柿の葉寿司っぽくなった。
子供が小さいときからこの木枠はバッテラや押し寿司をよく作ったものだけど、今は、春のやさしい柿の葉寿司作りだけに終わっている。
もし冷蔵で送れるなら、子供たちに送ってやりたいんだけど、まだ試していない。