思い出をみつめた丹波栗が来る

ふるさとの父母が住みつづけた家が、母が80歳でなくなってから絶えて更地になりました・・・20年近く前のこと。
あっけなく家が壊されるのを見届けた日の辛さは耐えがたいものがありました。
いまから思えば古民家を残しておいて、たまには、縁側にふたりでゆっくり腰掛けてお茶でも飲みながら、川のせせらぎを聞き、緑の風を感じて過ごせたらよかったねえ・・・と話す事があるんです・・・それは夢とわかっていても。
そのふるさとの土地を利用して、近所に嫁いでいる妹が、栗を植えてくれました。手入れの甲斐あって20年近く経て、大きな丹波栗がたわわになったそうで、宅配便で届けてくれたのです。
まずは懲りずに渋皮煮。又3〜4日間かけて煮込みます。
そして甘露煮。これは皮をむいて茹でて、クチナシの実と一緒に半分の砂糖と煮詰めるもの。そのクチナシが見当たらない。思い切って、パエリアに使ったサフランが残っていたのを思い出してつかってみました。いい色が出ました。
この栗たちは、私たちが戯れた思い出の土地で大きくなった・・・そう思うだけで一粒一粒が愛しくてなりません。大切に食べるからね。無駄にはしないからネ。ありがとう。