今週のお題:母の日

・おかっぱの音読を聞く割烹着
母を思い出すとき、
母が台所で背中をむいて包丁をコトコトいわせながら夕餉の支度。そこへ学校から帰宅した私は、卓袱台の上に宿題を広げて、先ずは大好きな国語から、音読をはじめます。漢字や言葉でつまると母が、本も見ないで「何々やろ」と言い当てる・・・。それが不思議で、それが言って欲しくて、母の背中へ音読をしました。
母は父に仕えた人でした。他人にやさしく、世話をしてもらった人に頭が低く、呆けが出てきてからも、有難う有難うと小さな声で御礼を言っていました。いつも威張られて、頭を垂れていました。
いつも言っていました。丁度今時分に産まれた母です。
「こんな名前はつけて欲しくなかった・・・父親は名前が決まらず山へ目を見やったら、藤の花が咲いてそれはきれかったそうでこれがいいと「藤枝」にしたそうで・・・いつも他人にも身内にも頭下げ続けて生きてきたんや」
と言っていました。この頃山を歩いても電車に乗っても観光地でも、藤の花が咲いています。それを見やるたびに母の思い出がほとばしります。
母の日になると娘達から毎年必ずプレゼントをくれます。それが花だったり、手紙だったり、名物品の食べ物だったり、服だったり、私は何をプレゼントしたかなあ、母の日の事等お構いもなく小さく生きた母を思います。