三橋節子美術館へ

画家、節子は38歳でガンで死んだ。右手を失っても絵筆を左手に持ち替えて、ひたすら琵琶湖の周辺の民話を絵にしつづけて、6年余りの結婚生活に2人の子を産み、子供が3歳と4歳の時、悲しみのうちに天国へ召されていった。
私は新潮社の梅原猛の本で「湖の伝説」を読んで言いようのない感動を覚えて、3回ばかりこの美術館を訪ねている。純朴な野の花をふんだんに入れた、「花折れ峠」や「余呉の湖」など、なんともいえず、やさしい描き方に見とれてしまった。何度来てもいいものはいい。
今日も川柳の友6人と句会をかねて案内した。皆さんはじめての人ばかりで、感激やさんばっかり。涙で目が潤んでいた。
ここは、滋賀の三井寺の近くにあり、大津駅から歩いて20分とある。歩くのには自信のある6人組、歩いて歩いて、美術館で感動した後は、三井寺に寄り、これも歩き回り、大津絵や曳山会館などを見て、市場で、それぞれ鮎の佃煮、じゃこなど買って又大津駅への道をひたすら歩いて帰った。さくらはつぼみがもう咲かんとばかり膨らんでいた。
《野辺に咲くすみれ節子が思われる》