物欲はなけれどほしいあのかつら

その昔人相が変わる俳優やキャスターを見かけると、「いやね、かつらを付けてるん、別に禿げでもいいやん」と思っていた。いつか自分がかつらを所望する人間になろうとは思いもかけなかった。
先日姉ときょうだい会に行った時、姉が浴槽で「ちょいと、これ部分かつらなんよ、ええでしょ」と頭の先を持ち上げた。これにはたまげた。7歳の違いはあるとはいえ、おしゃれな姉に毛が抜ける事があるなんて(失礼薄くなるなんて)想像もしなかった。最近私も前髪がどうも少なくなりかけてテレビのコマーシャルであっという間に変身するミセスを見てあれがほしくて仕方がない。
「ねえいいでしょ、あんなのがほしいのよ、あれを買ったらいつでもどこへでも出かけられるんよ」
「いらん、そんなんなくても、禿げでも今のままで充分やで・・・今以上に出かけられたらたまらん」とはオットセイ。