観音開き食器こぼれて震度4

あの日、淡路神戸大震災の1月17日の早朝、降って沸いたような大地震に起こされた。食器棚からこぼれ落ちるお気に入りの食器達が悲鳴をあげていた。割れた食器をダンボールに入れた悔しさは忘れられない。当時の主婦日記を取り出してみると「女々しくも割れ皿数え震度4」と書いてから様子あれこれと、惜しくも割れた皿全て絵入りで書き込んでいた。合計124枚が瞬時にゴミと化していた。朝の連続ドラマで「生きちょることが丸儲け」という言葉が出てくるけれど本当に皿の割れた数くらい問題ではない。10年の月日が食器棚を埋めてくれたけれど、あの大きい揺れはいまだに忘れられない。
今日、次女から食器棚に入りきらないからと、それでも私の好みの食器を宅配便で届けてくれた。それを収めながらあの日を思い出してしまった。