明日香路の土鈴と語るにわか雨

朝8時半明日香路への吟行句会。
というのは表向きで、明日香路を歩いてそこらへんにのびるやふきのとうでもあれば失敬しようと言う6人グループのお喋り会のようなもの。
天気予報では曇りと聞いていたのに、近鉄橿原神宮前に来ると雨が振り出しました・・・。
これでは、山越えもならず、そのうち1人が見知っていた、明日香「藍の館」へ行って早い食事と見学でもと、軽い気持ちで入った古い大和屋敷。
「土鈴が5000点ほど展示しております、丁度わが国でも土鈴研究第1人者の大学の先生をされていた方が来られています。説明をしていただけるそうですのでどうぞご覧下さい」。
そうして思いがけないこの申し出に、興奮しながら、蔵を改造した土鈴館を隅々までご案内していただきました。それだけと思ったら二間三間とそして二階にも土鈴、土鈴、土鈴。
数限りない奴隷の中で、同じものなどなく、古いものから新品まで所狭しと並べられた土鈴と語ったのでした。
奥を極める大切さ、先生の熱い語りに、大いなる光るものを見ていました。
そば定食をいただいて、少し霙の混じった雨の中を秋なら彼岸花で美しい棚田を歩き、そして石舞台、岡寺へ寄り、鬼の俎板、鬼の雪隠、亀石など大きい石の名所を見て、橘寺へ寄り、川原寺の暖房の効いた部屋でお茶をいただき、近鉄明日香までひたすら歩きました。
こんなに歩いたかのように見えたのに2万歩。16,7kmのみちのりをよく喋りました。
帰宅したら6時半すぎ、「いい子して遊んでますな」との皮肉っぽい言葉の裏腹に、豚と野菜の炒めものとほうれん草の卵とじが暖かく待っていました。
ありがとう。今日も一日ありがとう。