犬なんだってこと忘れてるボクは

ボクしなもん・・・快適な日々を送っているから安心してね。
ボクにデレデレのじいじを朝5時半頃に起こすんだよ、すると早速服に着替えて朝の散歩に公園まで連れて行ってくれる。この緑豊かな公園は、市民の潤いの場所、休日ともなると大勢の人が押しかけてくるんだって。そこで思いっきりボウル投げをせがんだら投げてくれた、歳に似合わず芝生を駆け巡ってええかっこして付き合った、楽しい朝のひととき。
6時半になると、ばあばが迎えに来てくれた。
じいじは退職してから10年近く続けている朝の体操とウオーキングに出かけるので、ばあばがバトンタッチなんだって。
体操をしている前でばあばが写真を撮っていたのでボウルの相手をしてもらおうと必死で持って行ったら少しだけ投げてくれた、又それを追っかけると・・・どうも足がだるい・・・あきらめてかえった。
昼過ぎになって
「あらあら、大変、足がおかしいわよ」
ばあばが心配してくれている。片足を引きずって歩くのでたいそうな事。
「朝の運動しすぎたかな」
じいじが心配してくれて、夕方の散歩はじいじが家の周りだけになった。
僕の家族は今頃黒部か立山かあといくつ寝ると会えるのかな。
いつもでかけるばあばは今日は変な唄ばかりうなっている。可愛そうにまだ覚えきれていないので苦しんでいる。いい歌なのに水森かおりに悪いじゃないの、あんな唄い方して。ボクが喋れたら教えてあげるのに。
明日も、同じような日が続くのだろうなあ。昨日はじいじと菜園に行って、野菜の香りのする所で二人仲良くしていたのに、連れて行ってくれないかなあ。
じゃおやすみなさい。