突然に友がさよなら告げた夏

黄泉の国へ旅立つ前の日、娘に食べさせたいから炊いて欲しいと頼まれていた茎わかめの佃煮を持参しましたら
「ちょっと、孫の生まれる日が決まったの、子宮筋腫があるから8月26日に帝王切開でね、孫って可愛いね、待ち遠しいわ。そう言えばお宅もそろそろよね」
「今日が予定日なんよ、落ち着かないったらないわ」
「こっちに帰ってくるんだけど、この犬の病気の事も心配でね、見て、犬でもガンになるのね、腫瘍が足に出て来て崩れて痛いのか泣いてばっかり・・・病院では安楽死も言われたんだけど私が最期まで面倒見ますっていったんよ」
「・・・ひどい、こんなに腫れて崩れて・・・これなら泣きやまないのがわかるわね、お宅の留守の間泣いてるんよ」。
そんなやりとりをしたその翌日の27日に経営している喫茶店の仕事中に「気分が悪い・・・胸が・・・」と倒れて病院に運ばれ其処であえない最期を迎えられたと店で勤める方からの連絡で知りました。

どうしたというのでしょう、健康で明るくて前向きで頑張り屋で本好きできれい好きではっきり自分を持っていたあなたが、どうして60歳を召されていくのです?

わたしのおかずを好きだからと好んで食べてくれた人、私のする事にいつも応援してくれた彼女、そして前向きにアドバイスをくれた彼女が、ある日突然にいなくなるなんて・・・。

28日は雨や雷、彼女の死を嘆いているかのようでした。

29日今月にオープンした家族葬儀場メモリアルホールで辛い悲しいお通夜でした。

30日、今日、オットセイと共に出かけてきました。
家族葬と言っても友や知人が大勢参列されていて、在りし日の故人を偲びながら告別しました。
大切な友を失って頭の中は真っ白です。
今は唯々、ご家族が無念の涙を乗り越えられますようにとお祈りするばかりです。
今日を悲しむかのように遠く近くに留守をしている病んだ犬が、か細く泣いております。