藤原ていの生きたその後に泣きました

藤原ていの、あの「流れる星は生きている」を読んで、小さな子どもを3人も連れて満州からの1年にも及ぶ引き上げの必死の体験を涙せずにはおれない語り口調で書かれた本を、決して忘れない。戦争はしたくないと心の底から思わせる本でした。
その時1ヶ月の女の子と2歳の次男、6歳の長男が必死の引き上げの三人でした。そのうちの次男の方が書かれたエッセイが「祖国とは国語」。 

祖国とは国語 (新潮文庫)

祖国とは国語 (新潮文庫)

その中の満州再訪記は、その次男の家族と1ヶ月だった妹さんやもう隠居されている藤原ていさん、亡き夫新田次郎さんの編集者と共にその昔の生活の場を捜し歩く旅をし、その模様が書かれていて、感動しました。
満州で日本軍が設計して立てた建造物が誇れるものとして今も残されている事を知ったのもうれしい事でした。
それぞれのエッセイの底に、藤原ていの「流れる星は生きている」があり、気象庁に努めていた夫がそれではと小説を書き始めて新田次郎がある・・・そしてこの藤原正彦と言う作家が生まれた・・・これは画期的なことだと思いました。生きてさえいれば何であれ子どもにつなげるものがあるんだ!と。読みやすいエッセイでした。