おめでとうぼくは体よく癒し犬

 ここの主は元気印、僕を懸命に面倒見てくれているんだ、朝暗いうちから散歩、帰宅すると持病を持つ僕のために薬を調合してエサと混ぜてくれる、待ちきれない僕はその周りをほっつき歩き、「落ち着け、まだやまだや、まっとけ」と大きな声で我慢させられる。

 いつも元気なここの母さんどうも病気らしい、だるそうにしてたまに布団にもぐりこんでいる。と思ったらマラソンのテレビをかけっぱなしで大声を出している。5区の芦ノ湖までの柏原の応援に至るや、そこらじゅうに聞こえるかのように「頑張れ頑張れ」と声援、時々「ああ早稲田にも一位をあげたい」とわからないことも言っている。「風がふいている」とかの本を読んでからこの箱根マラソンを毎年見ているらしい。

 暮れからここの居候になっている。迎えが来る四日まで頑張ろうと思っているよ。それにしてめまぐるしい年の瀬だった、人が出たり入ったり、僕を見るのが久しぶりだとさすってくれた。
そんな僕にも耐えていることがあるんだ、病院からエサ以外の生もの(キュウリやニンジンが好きなんだけど)を食べてはいけないって言われている、僕は何とかの病気を持っているらしい。
時々ふっとトッキーの事も思い出すけど、今は父さん母さんの癒し犬になっている、なりきっている。
今年もどうぞよろしく。