てんやわんやでやがて居座る青畳

ここへ入居して唯一畳がそのままで40年近くを過ごしていたオットセイの部屋、そこをカーペットで隠していた、畳のデコボコがもう隠し切れなくなって歩くと気持ち悪いという。思い切って畳を変えることになった。ついでに私の部屋も・・・。
神経質で几帳面のオットセイは昨日の朝から、部屋の本や物を移動しはじめた。私は夜でも明日でも出来るわと思っていたので、友達と出かけるというと信じられない!という顔で一瞥していた。
よくこれだけの荷物があるなあと思うほどあふれた。ベランダからキッチンにまで本などが山積みされてなさけなや。昼は作れる状態ではなく、デパートへ弁当を買いに走った。「食べに行こう」と言ったのに「本を足に落として骨が折れてるやも知れず・・・」と嘆いていたので一任されて好きそうなもの「おこわと寿司」とを買ってきた。荷物の中でうずまって「年は取りたくないなあ、こんな事がもう苦痛や」と言うオットセイを見ながら結構面白いやンとはかげの声。
今日一日で6畳と4畳半の畳がはいった。おおこのかぐわしき匂い。荷物も何もなかった故郷の広い座敷を走り回った子供の頃をふと思い出した。
カーペットがなくなった代りに畳屋のサービスで一枚の上敷きをいただいた。思いがけないプレゼントに小躍りした。