思い出箱を開けたらあふれ出る涙

夕食時の会話から、「そうそうはしかが流行っているそうね、あの子達は小さい時にしたからいいけど・・・」
「予防注射とちがったか」「いいえ、はしかをしたから注射はいらなかったのよ」
でも確かめてみましょう・・・とタンスの奥の思い出箱から40年ほど前の長女と二女の母子手帳を出しました。
予防注射の事よりも、箱の中からあふれて来た思い出に、顔が歪んできました。なんだかにじみ出てくる熱いものがあふれて来ました。二人の記録に残された私の育児の歴史です。
次から次へと箱の中から成績表や卒業証書など出していくと、二女が14歳の時亡くなった母の手紙が出てきました。二人の子どもらへ書いてくれた何通かの母の文字を見つけて声を出して読み上げるともう嗚咽になっていました。
15年一人暮らしをした母の懸命に孫へふみを書くうしろ姿を今更ながらに思い浮かべると、どんなにか淋しかったろう・・・こうして書く事で家族に思いを馳せていたのだろう、多忙だった事を理由に手紙も書かずたまに電話で済ませていた自分、手紙を書けばよかった、くり返し読んでくれたろうにと悔やまれる・・・。
娘の文集やテスト表など、思い出箱からあふれる思いで夕食はしんみりとしたものになりました。
が一つ大笑いしました。小学校低学年の二女から夫への誕生日プレゼントが出てきました、それはそのころ薬を飲んでいたオットセイの為に「くすり表です、毎日丸をつけていってください」と書いていました。それを見たオットセイ「あんたがそんなとこに隠してしまうから、付けられんかった。明日コピーしてくれ、明日から丸をつけるから」だって。よういうわ。