兄からの短歌句集陽だまりとある

74歳の兄から、栗の渋皮煮を送った礼状と共に短歌集が送られてきた。そしてそのお礼の電話をかけたら兄は喋り続けた。
「譲られしパソコン前に四苦八苦師匠の孫は厳しくありて」
兄も現在を生きて頑張っているんだと思うと、ご無沙汰をしすぎていた事を詫びたい思いがする。
ちちははの事を詠んでいる短歌を見ると、思わず嗚咽に近い泣きが入って自分でもたまらない。
「つれづれに幼き日々に亡き母と写せし写真じーっと又見る」
故里の亡き母を思う時、自分が母と写っている写真を見ている、それもつれづれにとあっては、長兄には長兄なりの寂しさを感じていたんだろうとはじめて知った。
最近は葬式か法事以外に会うこととてなく、まして連絡はメールかファックス。
故里で熟れた栗を妹が送ってくれ、渋皮煮を炊いたからと妹と兄に送ったことでこうした話し合いの時間が持ててほんとうによかった。
「ふるさとに昔を偲ぶ友もなし墓石のコケ一人取りおり」
兄ちゃん、頑張ろうね。